忍者ブログ
年甲斐もなく愛猫と愛車と服とか靴とか アクセサリーとかについてクダクダ書いてゆくブログ。
Admin | Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

寒い季節に浮かぶ 旋盤された月 白く散った光の輪
環光が
凍りついた街灯を弾き 音叉として響かせ
夜を宇宙の一角へ切れ込ませる頃

分母だ
物差し程度の尺度では敵わない
星の数ほど 限度まで冷えた夜空
中空に角度を 震えながら書き込んで 悴んだ両手の筒で 覗いてみる
数々の星々 犇めいても 遥かな高さ 
吐かれる有害な狼煙は それでも距離感を霞ませ 
黒く張り付いた天井を 充分引き寄せて見せるが

狭い闇の中に小さく蹲り眠るには 冷えすぎて退屈すぎた 時間の流れ 
一定周期の脈音にmsまで重ね合わせ 目を閉じ 数え 連ねる 
やがて熱を帯び 燃焼し速度を増す 
一筋の走り書き


路上と街の果てに 微かに灯る 銀 
重々しい眼光を 青黒く研ぎ上げる 胸の内に巻く 気流の音は鋭く

景色を刺し殺して 自由になる 
殺風景に従う定めを吠えた

走って 加速した 震動に
恍惚と震えて もっと速く  
脊髄の震えに 馴染めない心臓の拍子を 
掌で支えて

流星群の燻り ネオンの大河を掻き分け  
一層速い流れの一筋となって 郊外まで 
星々と街の灯の境界線は 波打つ 
その波間から覗く 夜の奥へと  
流す また 流れる 排気と吸気
振り払えない 
流れるものと 流れる場所の 隙間に流れる粒子の速さ

何千回と空気の環を潜る度 骨と肉は時間に逆らい 
景色との摩擦熱は増してくる
熱に解れた 体の 生臭い ところどころは 
脳髄に直結の 鼻孔奥から吸い込んで 染み込ませ
0.1μmgすら逃さずに 
風に擦れ 流速を上げた体液に 循環させる

何千回と立ちはだかる風圧を 八つ裂きにして 肋骨の隙間の其々にぶつけても
揚力は発生しない
飛べないが 景色と音の衝突に湧き走る 神経繊維の むず痒さ
μmm/ms単位の その巡航速度を 両腕に
赤い罅を描いた血眼で 読取ってゆく 黒い筋

熱 音 時間 距離を 風は正確に把握し また自覚している
風景の速度

振り向いて 見る
残留熱に巻き起こる乱気流に 幾つかの記憶が
耳穴から吸い出され 後頭部へと靡く

目を閉じて 見る
大量に涙腺から流入する 景色の混じり合いが
溢れかえって 歓喜に溺れている 油ぎった色の小脳

乗っている 
五感はどこまで移動に蕩けるか
膨張した感覚と微分された現実の距離を縮め

追っている
交じり合った原色を細分化して捕らえ 修正し導き出し 
両側面に流れ出る 記憶の末尾を彩るため 

何時まで見つめていられるか
眉間とこめかみを結んだ 揺れ動く三角形の正確な重心 
何処までも 浮いたまま 
殺風景を求める公式を追いかける大脳を追い詰め

闇雲に あらゆる吸気と あらゆる排気の効率を上げ 
ところ構わず立ち昇る陽炎を 問い殺してゆく逃酔狂

景色の奥底から 静かに滲んでくる 
氷霧のように鋭く 輝く 蜘蛛の巣 
奥の奥の先に着くものは 
微塵切り
思惟が描き続けた同心円を逆順に更新する旋風の回転速
その微分され尽くした分子の速度は死に際の円周率の細やかな歪さ
記憶に 知らぬ間に 記された数々の風の軌跡を遡って 辿って 
果てに 意識の基盤が粉々に 砕け落ちていった 底に

風は止み 移動は潰えた 

無意識を循環した風は 再発した意識の上において
数列と音階へと姿を変え 対流し蒸発する 
時間 
遠退いて 昇ってゆく

耳と眉間の奥に 幾つかの数字がまだ 微かな音を伴って蟠っている
それらは夜の中に 円を描き 回り出す 光の環


その 一筋の光景




PR
Comment form
Name
Title
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
  管理人のみ閲覧可能にする
この記事のトラックバック
この記事にトラックバックする
プロフィール
HN:
ユキオ
性別:
男性
職業:
酔いどれ船乗り
趣味:
猫いじり ベスパいじり 古着屋巡り
自己紹介:
リアルにマダオ。
悲観的快楽主義。
最新記事
カレンダー
11 2025/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
カウンター
お天気情報
忍者ブログ [PR]

Designed by