年甲斐もなく愛猫と愛車と服とか靴とか
アクセサリーとかについてクダクダ書いてゆくブログ。
鋏の翼で 錻力の鸛が
夜を 透明に 幾筋も 裂いて
濡れて 輝く掌に
零れた 月の冷気
限りなく 凍えた皮膚が
一層 白く 硬化する
睡魔が 横たわって 繋げる
視覚の奥と 知覚の裏
その曖昧な帯域に
黒い向日葵が咲き
黒い獅子が眠る
白鳥が首を垂れ 灰泥に沈みこむ
暗幕に 張り付く白い蔦
闇路に 灯る白樺の列
白光に満ちた 譫妄は
超然と 遡る 遠い 過去まで
徹底して 苦く輝く思い出を 開示する
捻り 絞られる眉間
鉄塔が 燃えながら 屈折する
煤で 黒ずむ
路面は 軽金属の馬と
摩擦熱を 競って 高め合う
放熱に 瞬きを 繰り返すと
瞼の裏に 雷光の軌跡
それは 乱反射する
真珠色の陽光と
一つの銃声が 交錯する瞬間に 立ち昇る
鮮烈な 美に 似て
黒と黒の 間隙に 滑り込む
一筋の 揮発性の 赤は
微かな光を 引いてゆく音
その残響に 震える右手は 描く
脳内に眠る 胎児の夢を 滲ませて
立ち昇る 青褪めた煙で 燻らして
夜の 深さを より深く
鋭利な 眩暈
その 通過音
その 尖端
その 眩みの 最果て
未来に
沸騰した頭痛が 産み落とす
音と色
刻まれた静寂が 蒼く 靡く
砕かれた沈黙が 黒く 散る
菩提樹の梢のように
硬直した 感覚神経に
張り付いて 酷く乾いた 蛹の罅から
無数の音像 映像が 流砂状に 溢出する最中
まだ
明確な 意識を持って
目覚めて いられたなら
藍色と 交じり合う
銀色の 雨の下
長く細い影が 背景を 綴じてゆく
冷え切った 大気を 縫いながら
浮き沈む 視点は 転がる 水銀のように
軽やかに 電気的に 正確な流速で
鼓動に 付き従い
白紙の上 疾駆する 文字列
詩の 胎動に
風景は 霧散する 陽炎は 木霊する
意識の底に 朧に 衰弱してゆく 記憶の飛翔は
幾度も
大脳という名の 子宮を 震わす
擦り切れた 子守唄を 狂おしく 口ずさみ
やがて 魂の重心に 命中する 一滴の 暗い棘
この 黒い陣痛
PR
Comment form
プロフィール
HN:
ユキオ
性別:
男性
職業:
酔いどれ船乗り
趣味:
猫いじり ベスパいじり 古着屋巡り
自己紹介:
リアルにマダオ。
悲観的快楽主義。
悲観的快楽主義。
カテゴリー
カレンダー
カウンター
お天気情報
-天気予報-
リンク