年甲斐もなく愛猫と愛車と服とか靴とか
アクセサリーとかについてクダクダ書いてゆくブログ。
頭の周りの何処かで 蒸気機関のクランクが回り出して
ぼくの記憶を巻き上げる
だから
虫が泣いていると感じるのかい?
眉間の奥の小さな場所で読取った 過去の懐かしさに? こじつけて?
夜空の星の数を あてつけがましいノックで叩いて
瞬間 二重にぶれさせるなんて
随分ひどい頭痛じゃないか
気力で搾り出せたのは 決意でもなく 諦めでもなく
だらしない小便だけ
ああ ぼくの啜る鼻水に
あの風邪の風味が染み入ってきたら 潮時だ
「不安ってなんだろう」なんて所詮妄想は
この心臓に降って沸いた生々しいざわめきに たった今 霧散した
額の斜め上の手短な空間辺りで 蒸気機関がクランクを回している
そのスムースでもない運動音は 耳の中の渦巻を軋ませる
だから
ぼくは泣いているのかい?
奇怪なむず痒さに? 少し笑いながら?
気が付かなかったよ
そんな ぼくがおかしくて
道を行き交うみんな 器用に見て見ぬ振りをするんだね
ぼくの血液の劣化はあまりにも早過ぎるだろうに
ひん曲がった腰つきと 湾曲した左肘でベンチに絡む老人よ
あんたなんて ぼくと何ら変わらない
体の形と心の形が少しばかり違うだろうが
互いの錆びた血と 色珍しい瞳の歪さが
こんなにも粘っこく ぼくらを繋いでいる
合わせられぬ視線のすれ違いの隙間に見つけられる
衰弱が呼び寄せた同一臭
両耳の後の辺りで 蒸気機関のクランクが回って
ぼくの記憶を垂れ下げていく
思考と想像と記憶について求めたの計算式の中の代数は
極めて希少な代物だった
どおりで得体の知れない魚類にも似た不安が
よくもまあ喰い付いてくる訳だ
思考の先を行き過ぎた記憶を たらたらと垂らしては
どうせなら
少しばかりの心地良い釣果を求めて
石造りのベンチでゆっくりと 獲物がかかるまで 横になろう
本当の風邪をひくのはごめんだけど
時間切れで方向性を失った 心を落ち着かせるには丁度いい
こめかみをクランクシャフトの軸にして 蒸気機関が記憶を操る
血液の粘度を上げて 掻き集めた思い出達は
たかだか明日の朝までに 枯れることなど有り得ない
冷えたベンチでも この心臓のざわめきは冷めぬまま
ぼくは また 曙を目差す
色褪せないまま たゆとう枕木を
ひとつひとつ思い出して 乗り越えて
海面を行く列車になって
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ユキオ
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酔いどれ船乗り
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猫いじり ベスパいじり 古着屋巡り
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リアルにマダオ。
悲観的快楽主義。
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